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地震と中世の流通

地震と中世の流通  高志書院選書6



矢田俊文著  2,500円(税別)
四六判・上製・230頁 ISBN978-4-86215-073-8


中世日本列島の物資流通システムを集散地という概念で捉え、その地が低地にあるために地震・津波による甚大な被害をこうむり、物資の流通自体も大きく変動すること明らかにする。文献と考古資料の特質を活かしながら描き出された流通史の新たな実像。


主な目次


  第I部 中世考古学と物資流通
1 中世水運と物資流通システム
求心的経済構造論と地域経済圏論/土器・陶磁器からみた水運と物資流通システム/東アジア・東南アジア流通圏と日本の物資流通システム/橋―水運と陸運の結節点―
2 中世の物資流通と瀬戸内地域
物資流通についての中世史(文献史学)研究の流れ/商人による物資流通独占と集散地遺跡/中世物資流通研究と史料論/中世の物資流通と瀬戸内地域
3 文献史学と陶磁器流通
中世考古学の成果/十五世紀末~十六世紀末までの経済の変化/生産者・商人・消費者
4 中世瀬戸内の流通と文献史学
物資流通史研究と資料/中世瀬戸内地域の集散地・商人
  第II部 地震と集散地の被害
1 明応地震と太平洋海運
一三六一年の地震津波と阿波由岐湊/明応地震と駿河小川湊/安濃津と太平洋海運
2 地震被害と摂津天王寺西浦・遠江中部低地
一三六一年の地震被害と摂津天王寺西浦/一七〇七年地震以前の絵図と遠江中部低地
3 明応東海地震の津波被害と中世安濃津の被災
紀伊国和田浦と明応地震/遠江国橋本と明応地震/元島遺跡の湊と明応地震 /伊勢国安濃津と明応地震
4 既刊地震史料集の校訂の諸問題
歴史学研究者にとっての「重要な史料」/史料研究の枠を広げる


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