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良寛の探究

良寛の探究



塩浦林也著  6,000円(税別)
A5判・416頁 ISBN978-4-86215-147-6


良寛はどう生きたのか。本書は、良寛の生き方の原点を彼が残した言葉「人の生けるや直し」に見出し、和歌や漢詩などの諸作品に隠された真実の良寛像に肉薄する。良寛自らがどのように人生を探究しつつ生きたのか、一人間としての良寛に焦点をあてた力作。


主な目次


 Ⅰ 父母のこと、幼少のころ
母親「秀」(「おのぶ」)のこと / 父親「以南」のこと / 一人遊びはスプリングボード / 「鰈になる」を信じた八、九歳頃

 Ⅱ 青年時代と出家得度
三峰館入塾から十九歳春までの経緯 / 十九歳春から二十二歳の得度まで

 Ⅲ 禅僧 良寛の誕生
大而宗龍への請見で得たもの / いわゆる「良寛の猿ヶ京関所通行手形」をめぐって / 國仙に家風を問う / 「圓通寺」 / 國仙の与えた印可の偈 / 帰郷前の和歌、俳諧と「関西紀行」

 Ⅳ 乞食行への道
帰郷の決意 / 帰郷途上の糸魚川における漢詩 / 四国行脚、関東での兄弟子参見 / 圓通寺時代の作とされてきた漢詩四篇 / 筆意の転換 / 乞食行の純化が導き出した毬つき行

 Ⅴ 禅僧 良寛の内なるもの
「在りし昔のこと」 / 「千羽雀の羽音」 / 「穂拾ふ鳥」 / 「法の塵」 / 「うらやましくも」から「誰か知ららむ」へ / 腹中の一切経 / 「騰々任天真」と「双脚等閑伸」 / 「とり残されし窓の月」 / 歌集「ふるさと」巻頭の和歌四首 / 赤南蛮は「貧道の最好物」 / 「息せきと」 / 「傭賃」の推敲から見えること / 「天上大風」という語

 Ⅵ 「一人間として」への重心移動
仙桂和尚 / 岩室の田中の松 / 「淡雪の中にまたその中に淡雪」 / 孔子賛 / 『論語』の「仁」十五箇条 / 「常哀れみの 心持し」 / 「答へよ」 / 書簡中、「野僧」に混じる「私」 / 「鐸ゆらぐもよ」

 Ⅶ 「一人間として」の生き方を求め続けた晩年
生臭ものへの対応 / 貞心尼の請見 / 合砥としての『論語』 / 「藜籠にれて」 / 「ねせもの」 / 「大沼をななめになして」 / 仮名戒語 / 「曲」という字 / 物品恵与の依頼状と盗み食いと

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